著者:池井戸潤、発行所:講談社(講談社文庫)
走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃する事件が発生。そのトレーラーのメーカー・ホープ自動車はトレーラーを所有する運送会社・赤松運送の整備不良との結論を出していたが、その結論に納得できない運送会社社長の赤松が大企業の思惑などに振り回されながらも真実を追求していく。
この作品は2018年に映画化されているようですね。
『善』の赤松社長と『悪』のホープ自動車の闘いという構図が成り立っていて、そこが見どころなのかなと思いますが、私は作品中に登場するホープ自動車の従業員の姿に感じるものがありました。
おそらく彼らは自社に過失があるとは思っておらず、自社の論理の中で仕事を進めていたのではないかと思います。その結果、赤松の妨害をすることになるのですが。これはある程度の規模の会社の社員だったら誰しもが陥る危険性があるのではないかと思います。組織の中で自分がやりたいことを通すには組織の論理を身につけ、立ち居振舞うことも必要だとは思いますが、その組織の論理に雁字搦めにされてはいけないなと。
今日は以上です。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
こうじ